生理前に生じる頭痛について解説!

鍼灸治療

生理前や生理中の期間には様々な症状や不定愁訴が生じます。

その中でもお腹の痛みや頭痛、気分の落ち込みなどの症状が特に多く程度によっては日常生活に支障をきたしてしまうこともあるくらいです。

今回はそんな症状の中でも特に多い『頭痛』に関して原因や対処法を東洋医学的に解説していきたいと思います。

生理痛ってなぜ差が生じるの?
とある製薬会社が女性を対象に行った憂鬱に感じるものは?と言う調査で『生理時』や『生理痛』が上位になったそうです。 ですがこの調査内容では生理や生理痛を憂鬱に感じる方もいればそんなに憂鬱に感じることは無いと回答した例もそれなりにあったようです...

●生理前に頭痛が生じる原因

まず西洋医学的に生理前になぜ頭痛が生じるのかを解説していきます。

生理前の頭痛の原因でポイントになってくるのが『エストロゲン』と言うホルモンです。

エストロゲンは女性らしさを作るホルモンと言われており生殖器の発達に関与したり体を女性らしくする作用があるホルモンでエストロゲンは生理前後になると分泌量が急激に変化します。

エストロゲンは排卵前に分泌のピークを迎え排卵後に急激に分泌量が減少しその後また増えていき生理前に減少します。

この時のエストロゲンの急激な減少と共に『セロトニン』と言う血管を収縮させたりするホルモンの分泌量も減少します。

この作用によって脳内の血管が拡張しそれが原因となり頭痛が生じやすくなると言われています。

●東洋医学的に考えた頭痛が生じやすい2つのタイプ

では生理前に生じる頭痛を『東洋医学的』に考えてきたいと思います。

東洋医学的にこの頭痛の原因を考えた場合、普段の日常生活や体質的から頭痛が生じやすい2つのタイプに分類することができます。

◆タイプ1 瘀血(おけつ)タイプ

瘀血とは使い古され役目を終えた血液や汚れた血液のことを指しますがこの瘀血の量が体に多くなり停滞してくると頭痛の原因になってしまうことがあります。

瘀血の特徴に流れが悪く停滞しやすいと言うものがあり瘀血が頭のどこかに停滞することで頭痛が生じやすくなります。

またこの瘀血が子宮内に停滞すると環境が悪くなり強い生理痛を引き起こしたり出血の際に血の塊のようなものを排出したりもしやすいです。

普段から顔色が悪かったり頭痛、肩こり、体にアザができやすい、手足が冷えやすい、クマやニキビができやすい方は体に瘀血が溜まっている可能性が高く生理前などに頭痛が生じやすいです。

◆気滞(きたい)タイプ

気滞とは体を巡っている『気』と言う物質がどこかしらで停滞している状態のことを指します。

こちらも瘀血と同じように停滞することで痛みや膨満感、疲労感などを生じます。

気滞タイプの頭痛では頭がボーッとしたり霧がかかったようなモヤモヤするような頭痛が生じることが特徴です。

普段からお腹などが張る感じがしたり怒りやすかったり落ち込みやすかったりなど情緒が不安定な方は気が停滞していることが多く気滞タイプの頭痛が生じやすいです。

●瘀血、気滞に効果的な漢方薬の紹介

ではこの2つのタイプに効果的な漢方薬を紹介します。

漢方薬は体に不足しているものを補ってあげたり逆に過剰になっているものを流してあげたり生薬の力を利用し体質を改善させてくれる治療法です。

ですが注意点もあり『効きそうな漢方なら何でもいいから使う』と言う使い方は良くありません。

漢方はその方の症状にピッタリと合えば効果を発揮してくれますが症状や体質に合わない漢方を使っても効果を得ることはできません。

東洋医学や漢方薬に精通した鍼灸師などに相談をしてその時の体に合った漢方を処方してもらい使用するようにしましょう。

◆瘀血に効果的な漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

滞った血液の巡りを整え体全体に血液を巡らせてくれる作用があります。

血流の悪さからくる冷えの改善や瘀血が停滞して生じている生理痛の改善にも効果的です。

普段から顔色が悪かったりシミやクマができやすい方などにはピッタリな漢方薬です。

◆気滞に効果的な漢方薬

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

神経質で精神的に不安感が強い方には効果的な漢方薬です。

気の滞りを改善し巡りを良くしてくれる作用が強くストレスを溜めやすい方や、すぐに落ち込んでしまいがちな方には効果的です。

●まとめ

今回は生理前に生じやすい頭痛の原因を東洋医学的に分析しそれに効果的な改善法を紹介しました。

使い古された血液が溜まっていたり気の巡りが悪かったりと原因は色々ありますがその原因をしっかりさせそれに合った漢方薬などを用い治療を行うことで薬や医療機関に頼らずとも自分自身で解消できる体を作ることができます。

自分でタイプや原因が良く分からない時には専門の医療従事者などに相談し適切な治療法を選択するようにしましょう。

 

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