とある製薬会社が女性を対象に行った憂鬱に感じるものは？と言う調査で『生理時』や『生理痛』が上位になったそうです。
ですがこの調査内容では生理や生理痛を憂鬱に感じる方もいればそんなに憂鬱に感じることは無いと回答した例もそれなりにあったようです。
女性であればだれもが体験するであろう『生理痛』にはなぜこんなにも差が生じるのでしょうか？
今回はそんな生理痛の差について原因などを解説していきます。
●生理痛はなぜ生じるのか？
生理痛は約一か月の周期で受精が成立しなかった卵子や受精卵を迎えるために厚くなった子宮内膜を体外に排出する『生理時』に生じる痛みやそれに伴う様々な不定愁訴などをまとめたものです。
なぜこのような生理時に痛みを伴うのかと言うとこれには『プロスタグランジン』と言うホルモンが深く関係しているとされています。
このプロスタグランジンと言うホルモンには子宮をギュッと収縮させる作用がありこの収縮時に一緒に痛みが伴うとされています。
プロスタグランジンと言うホルモンは炎症メディエーターと言われる炎症反応を引き起こすホルモンの一種で子宮を収縮させさらに痛みを感じやすくさせたりする作用もありプロスタグランジンが分泌されることにより生理痛を感じたり頭痛や関節痛も感じたりします。
また個人的な要因として子宮孔が狭かったり冷え性がある、ストレスを抱えやすいなどのことも関係していると言われています。
●生理痛に個人差がある理由
ではなぜ発生するメカニズムは同じなのに痛みには個人差が生じているのでしょうか？
これにもいくつかの理由がありますので1つ1つ解説していきます。
◆子宮の出口が狭い
これは出産経験の無い女性や若い女性に多い原因の一つで子宮の出口が狭いため経血が溜まりやすくうまく排出できずに結果痛みに繋がってしまいます。
出産をすると子宮孔が開きその後は生理痛が酷くなくなったなんて例も意外と多いのです。
◆プロスタグランジンの分泌量が多い
プロスタグランジンの分泌量の多さはその人によって様々です。
上記したようにプロスタグランジンは子宮を収縮させ痛みを感じやすくさせるような作用があります。
このプロスタグランジンは生理に合わせて分泌されますが分泌される量がどんな人でも一定量と言うわけではありません。
多い方もいれば少ない方もいて当然分泌量が多い方が子宮の収縮頻度や痛みの感じ具合が強いので結果として生理痛が重くなってしまいがちです。
◆体の冷え
体が冷えていることも生理痛には関係してきます。
体が冷えると血流が悪くなりプロスタグランジンなどの物質が骨盤内に長く居座ってしまい痛みを感じる期間が長くなってしまったり循環が悪いので骨盤内の環境が悪くなってしまいます。
◆ストレス
過度なストレスは自律神経を乱し血流を悪くしたり痛みを感じやすくなってしまったりします。
ストレスはかなり感じるのに個人差が大きくストレスの感じ方具合で生理痛の程度も大きく変わってくることもあります。
同一人物であっても生理周期中のストレスのかかり方具合でその時の痛みなども変化することもあります。
◆生活リズム
朝にしっかり起きて昼間活動し夜はゆっくり時間を取って休んでいるような規則正しい生活を送っている人と毎日起きる時間、寝る時間が不規則だったり睡眠時間も差があるような不規則な生活をしている人とでは大きな健康上の差が生じます。
生活リズムの乱れも自律神経を乱しホルモンバランスや感情などに影響を及ぼしますから生活リズムが乱れているなと感じている方は早めに改善するようにしましょう！
特に自律神経の乱れは体に様々な悪影響を及ぼしますから要注意です！！！
●こんな場合には要注意！
生理痛は女性なら誰もが経験することだと思いますがその症状と程度次第では本格的に治療を行った方がいい場合もあります。
この時見分けるのに大切なことが『日常生活に支障をきたしているかどうか』です。
痛みは感じるけど日常生活にはそんなに支障をきたしていない場合や鎮痛薬などを服用すれば大丈夫のような状態では特に問題ありませんが鎮痛薬を飲んでも痛みが引かずその場から動けなかったり何もできないような状態ですと日常生活に支障をきたすだけでなく何違う重大な疾患が潜んでいる可能性もあります。
実際『月経困難症』などの疾患は自分は生理痛が他の人よりひどいだけと思いこんで気が付かない方も多いですし疾患をそのままにしていると『不妊症』の原因になってしまうこともあるので要注意です！
●まとめ
生理痛の個人差の原因には様々な要因があり誰もが痛みなどが一定と言うわけではありません。
自分で体を温めたり日常生活を見直すだけでも生理痛は軽減できることもあります。
ですが明らかに症状が他と比べて酷かったり日常生活に大きな支障をきたしてしまっている場合は何か他の疾患が潜んでいるケースもありますので我慢せずに専門の医療機関を受診し詳しく検査を受けるようにしましょう。
月経困難症や子宮内膜症、子宮筋腫などの疾患をそのままにしてしまっていると『不妊症』になることもあり将来子供を授かりたい時に問題になってしまうことがあります。
自分自身の体のことを知って健康に過ごせるようにしましょう！
