辛い神経痛、手や指の痺れについて

柔整治療

毎日ごく普通に生活しているだけなのに腕や指先が痺れたり腕がだるくなってしまったりする方がいらっしゃいます。

このような症状は『神経』が関与しておりデスクワークが普及した現代ではとても多い症状です。

今回はそんな腕や指先に生じる神経痛や痺れについて解説していきたいと思います。

●なぜ生じるのか?

まずそもそもどんな機序で神経痛や痺れは生じるのでしょうか。

今回は腕や指先の痺れを例に説明しますが痺れや神経痛が生じる原因は様々です。

その中で一番多いとされているのが『神経の圧迫』です。

腕や指先を支配している神経は主に頸部(首)から腕を通って指先まで走行しています。

初めは大きな太い神経がまとまった形で走行しますが腕から指先へと走行する間に枝分かれしていき指先に至るまでに最終的に3つの神経になります。

指の親指、人差し指、中指を支配する『正中神経』

薬指、小指を支配する『尺骨神経』

手の背側(甲の部位)を支配する『橈骨神経』

この3つの神経が腕や指を支配していますがどの神経が圧迫されているかで神経痛や痺れが生じる部位が異なります。

頸椎のヘルニアなどの疾患では構造的な問題が生じて神経が圧迫され痺れが生じますが日常生活や仕事でパソコンを多く使用したり車の運転や書き物などで常に肩周りに力が入ってしまうことが多い方は頸部から肩周りの筋肉が柔軟性を失い硬く凝り固まってしまい頸部から腕や指先に伸びる神経を圧迫してしまいます。

このパターンが一番多くさらに最近ではテレワークの増加により自宅でパソコンに向かいっぱなしで同じ姿勢が何時間も続くと言う方が増えそれによる神経痛や痺れを訴える方が多くなっています。

●症状

症状も多種多様で軽い症状から重い症状まで様々です。

圧迫や絞扼を受けている神経が支配している領域に沿って痺れや違和感が生じるのがほとんどですが痺れも寝ている時以外は常に生じている方もいれば一定の動作が続いた際や朝方だけと言った症状が出たりでなかったりする場合もあります。

痺れの程度もジーンっと痺れている場合や痺れに伴って痛みや脱力感を訴える場合もありこれは神経の圧迫の程度や圧迫する部位の少しの変化によって大きく変わります。

神経は筋肉を支配していますのでその神経が絞扼や圧迫されるとその支配されている筋肉にも萎縮や力が入りずらいと言った症状が現れます。これも程度によりますが症状の重い場合では箸が持てなかったり腕を使った作業が長くできなかったり日常生活に大きく支障をきたしてしまうケースもあります。

指先の痺れが強い場合には指先を使う細かい動作がやりにくくなったりこれらの症状に対するやるせなさや苛立ちから自律神経のバランスが乱れてしまいうつ症状や自律神経系の症状を併発してしまう場合もあります。

●治療法

治療法は主に『対症療法』と『疾患の根治的治療』が行われます。

対症療法では生じてる痺れや痛みを緩和させるために鎮痛薬の内服を行ったり神経ブロック(神経痛を生じている部位に麻酔薬を投与)を行ったり生じている症状を緩和させる目的で行います。

根治的な治療では疾患を治癒させる目的で治療を行います。

神経痛、痺れが生じている原因によって変わってきますが筋肉などの圧迫による場合では筋肉の異常な張りや硬さにより神経が圧迫されていることが原因ですので筋肉を弛緩させ神経にかかっている圧迫と言うストレスを取り除きます。

筋肉が弛緩してくると可動域も拡大してきますのでその状態で頸椎のけん引などを行ったりします。

日常生活でのセルフケアも大切で頸椎の運動では神経を圧迫するような運動はNGで首を後ろに反る動作や横向きで痺れが出ている方を下向きにするなどは極力避けた方がいいです。

入浴で頸部を温めたり自宅でできるストレッチを行ったりすることで治癒が早まります。

●まとめ

腕や指先の痺れや神経痛の多くは頸部から伸びている神経が圧迫を受けることで生じます。

日常生活でデスクワークが多かったり頸部周りにいつも力が入っていて筋肉が緊張して硬くなっている方に多いです。

症状は主に支配神経領域の痺れや神経痛ですが筋力低下を生じたり痺れの程度が重く日常生活に大きな支障をきたしてしまう場合もあります。

治療法は薬や神経ブロックと言った対症療法や原因となっている筋肉や骨格に直接アプローチする根治的治療がありどちらも少しでも症状が気になるのであれば早めに医療機関を受診し治療を開始した方が良いでしょう。

最近ではデスクワークの増加により一日中同じような姿勢で作業し頸部や背中に負担がかかり神経症状を訴える方も増加しています。

少しでも気になるようであれば症状が長引く前に医療機関を受診し適切な治療を受けるようにしましょう。

 

 

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