子供に行う鍼治療 『小児鍼』について

健康情報

鍼治療は主に日常的に生じる腰痛や寝違えなどの運動器系の症状から婦人科疾患、自律神経系の症状、消化器系の症状など様々な症状に対して有効な治療法で、多くは大人に行うイメージが強いですが小さな小児に対して行う小児鍼と言う分野も存在します。

鍼灸治療に関してはテレビや雑誌と言ったメディアで取り上げられることが多く実際に治療を受けられた方も多いと思いますが今回は小児に向けて行う小児鍼について紹介していきたいと思います。

小児鍼とは?

小児鍼とはその名の通りに小児に対して行う鍼治療のことです。

鍼と聞くと何となく先端が鋭利で刺さると痛そうなイメージを持つ方が多いですが小児鍼で使う鍼のほとんどは尖っているものは少なく刺すこともしないことがほとんどです。

場合によっては鍼を刺す場合もありますがその際も使用する鍼は大人に使用するものよりも細い鍼を使用します。

実際に使用する鍼は直径0.1㎜から0.3㎜程しかありません。

注射針がだいたい直径0.7㎜から0.9㎜ですのでそれに比べるとめちゃくちゃ細いし柔らかいです。

刺さない場合は先の尖っていない専用の鍼を使用し体に鍼を刺すというより滑らかな鍼で体をさすってあげるように施術を行うので痛みなどはほとんど伴わない場合が多いです。

通常の鍼は先も尖っていて見た目からも痛そうに見えて警戒するお子さんも多いですが小児鍼で使用する鍼は見た目も柔らかな感じで抵抗を感じるお子さんは少ないと思います。

小児鍼の効果とは?

一般的な鍼灸治療よりも低刺激な小児鍼ですが鍼治療の一種ですので通常の鍼治療と同様に東洋医学独特の『ツボ』『経絡』を使って治療を行います。

東洋医学では体には気が巡っているという考えがありその気の巡りを鍼を使って整え疾患の治療や健康管理などに用います。

主に乳幼児期から学童期の年齢で言うと0歳~6歳ぐらいを対象に健康管理や疾患の治療を行います。

◆疾患の治療

特に小児に多い鼻炎や喘息などの呼吸器疾患から便秘、下痢などの消化器疾患、夜尿症など小児に生じやすい疾患に対して行うことが多いです。

◆健康管理としての治療

小児鍼を行うことで体全体の血行の促進や免疫力向上などが生じ自律神経も整います。

その効果を利用して夜泣きや食欲不振などの治療に用いたりアレルギー疾患の治療に用いたりもします。

健康的に免疫力を高めてくれるのもポイントの一つです。

どんな場合に適しているの?

小児鍼は様々な症状に対して用いますが特に小児特有の症状である『疳の虫』に対して効果的です。

疳の虫とは昔によく使われていた言葉ですが小さな子が理由も無く泣いてしまい泣き止まなかったりするような症状の総称です。

◆疳の虫の症状

よくキーキー言い出し、けんかをする

寝つきが悪い、夜泣きが多い、食欲が無い

噛みつく、物をすぐに投げる

歯を食いしばって怒ったような状態になりやすい

落ち着きがなく鼻や喉を無意味に鳴らすことが多い

このような症状が疳の虫でよくみられる症状で昔から小児鍼は疳の虫の症状によく治療として用いられてきました。

疳の虫の症状以外にもアレルギー疾患の治療や自律神経系の調節などにも広く用いられます。

まとめ

今回は鍼灸治療の中でも小児に対して行う『小児鍼』について解説しました。

小児鍼は滑らかな専用の鍼を用いて摩るように優しく刺激する場合と大人に使用する鍼よりも細い鍼を使用し適度に刺激を与えることが特徴です。

小児の時期特有の疳の虫の症状やアレルギー疾患、自律神経の調節などいろいろな症状の緩和に効果的で治療を受けるお子様や保護者の方も安心して治療を受けることができると思います。

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