日常生活の中で『股関節』が痛む、と言う経験をされた方は多いと思います。
一時的なものでそのままにしておけば良くなる場合から中々、痛みが引かずに慢性化してしまう、激痛があり歩行に支障をきたしている場合、など様々な例があります。
ここではそんな『股関節』の症状や疾患について紹介していきたいと思います。
●股関節とは?
まず股関節の構造についてですが、ご存知の通りに体幹と脚部をつないでいる関節です。
脚部側の大腿骨の頭の方の大腿骨頭と言う部位と体幹側の骨盤の臼蓋と言う部位が関節し様々な運動を行います。
関節の内部は軟骨や靭帯、外部は靭帯で固定されています。
構造的には肩の関節である肩関節に似ており可動域も大きい関節です。
歩行や重力にたえるために腸骨大腿靭帯をはじめとする強靭な靭帯で周りを固定されています。
●なぜ痛みが生じるのか?
これは様々なケースがあり一概には言えません。
代表的で多く発生するものを紹介します。
●関節軟骨がすり減っている場合。
軟骨は年齢やオーバーユースによって摩擦が起こるほどすり減ります。
骨と骨が衝突しないように緩衝作用を担当しているのが軟骨ですからすり減れば緩衝作用が低下するので動かすと痛みが生じますしそれに伴い可動域も減少します。
●周りの筋肉などが緊張している場合。
スポーツから日常生活動作まで様々な面で筋肉は緊張します。
筋肉は骨から骨に付着し関節にピンポイントで付着するケースはほとんどありませんが緊張すると周りの毛細血管や神経などを圧迫し血行が障害されたり痺れが生じたりします。
また一側の筋肉が緊張してバランスが崩れてしまうと重力が偏ってしまい軟骨がすり減る原因になってしまったりもします。
●炎症が生じている場合。
炎症が生じる原因は色々ありますが痛みや熱感が生じていると言うことは身体から{あまり動かさないでほしい・・・}と言うメッセージが来ているのとおなじことです。
ですので痛みや熱感があるときに動かしたりするのはあまりよくありません。
●関節がうまく連結できていない場合。
これは主に『変形性の関節症』や『先天的の形成不全症』などがあります。
そうなるべく設計されている部位に違うような形で連結していたりするので正常な可動域の運動が制限されたり痛みによってあまり動かせなかったりするケースが多いです。
●色々な疾患
整骨院や整形外科などでよく見られる疾患をいくつかピックアップしてみます。
●変形性股関節症
この疾患は何らかの原因で起こり始め股関節の関節構造が破綻していき軟骨の硬化、骨棘の出現、骨嚢胞の出現などが生じ股関節の疼痛、可動域制限、歩行障害、跛行(歩行に異常をきたしている状態)などが起こります。
特徴は大半の股関節疾患がこの変形性股関節症に移行しやすいと言うことです。
また病期によって治療法が異なってくるので整形外科などでレントゲンで診断を受け適切な治療を受けることが大切です。
●先天性股関節脱臼
この疾患は生まれてくる時に股関節が脱臼している状態で生まれてきてしまいそれが原因で歩行障害や疼痛、可動域制限が生じる疾患です。
発生頻度が高く女子に多いとされています。様々な症状を起こすため専門医のもとで治療を受けることが大切です。
●化膿性股関節炎
この疾患は乳幼児期に多く発生し『黄色ブドウ球菌』が起炎菌となり発生します。
原因不明の高熱や患側の足が動かしにくいなどで気が付くことが多いです。
診断や発見が遅れると関節の破綻が起こり骨髄炎に移行したりします。
●ぺルテス病
この疾患は大腿骨頭への血流障害で骨頭が壊死するような疾患です。
3~5歳ぐらいの男子に多いとされています。
股関節の疼痛、関連痛として膝の内側の痛み、跛行、可動域制限などが生じます。
特徴的なのは炎症症状が見られないことです。
また発生時期によって予後が変わってきて一般的に5~6歳未満では良好と言われ9歳以上では不良とされています。女子は男子に比べて不良とも言われています。
この疾患は早期発見、早期治療がとても大切な疾患です。
まだまだ疾患を上げるとたくさんありますがそれぞれ発生原因や治療法が異なりますのでしっかりと診断を受け適切な治療を行うのが大切です。
●まとめ
股関節は人体の中でも肩関節に続き大きい関節です。
可動域も大きいので痛みが生じると日常生活に支障をきたすことが多い部位でもあります。
疾患によって症状や予後、治療法も異なりますので少しでも違和感や支障をきたすようなら専門の医療機関を受診するようにしましょう!
また日常生活内でも筋肉の緊張や圧迫などのストレスにより痛みや違和感が生じたり骨格の歪みなどで歩行に支障をきたすこともあります。
当院でも『股関節』に対する治療を行っておりますので何か気になることがある際にはお気軽にお電話ください(*^_^*)
股関節は重大疾患が原因の場合もありますのでそのような徴候がある際には専門の医療機関を紹介することもあります。