『頭痛』はどんな方でも1回は経験したことがあると思うくらいに身近なお悩みです。
色々な種類、発生原因などがあり一言に頭痛と言っても全部が同じではありません。
一過性に少し気になる程度で済む場合や持続的に続き体調を崩してしまう場合まで個人差も大きいです・・・
ここではそんな『頭痛』に対する鍼灸治療についてまとめていきたいと思います!
●頭痛とは?
まず頭痛とはなんで発生するのでしょうか?
大きく頭痛は①片頭痛、②筋緊張性頭痛、③群発性頭痛、④疾患による頭痛。
に分けられます。
①片頭痛
片頭痛は主に女性に多く、脈打つ際に痛む『拍動性頭痛』が特徴的です。
頭のこめかみのあたりから目元まで走るような痛みなどが片側(両側の場合もある)に生じます。頭痛は数分から数時間、あるいは一日中続き、長い人ではそれが3日以上続きます。
その拍動性の痛みから運動すると増悪したり嘔吐することもあります。
またストレスや疲労によって誘発されることが多く特徴として『閃輝暗点』(せんきあんてん)と言われる前駆症状があります。
※閃輝暗点
頭痛が起こる前に現れることが多く、急に視野が狭くなったり視界の中にキラキラ光る光の線が見えたりジグザグする線が見えたりすること。
その他にも前駆症状として手指の痺れや精神的に落ち込みやすくなったりすることもあります。
②筋緊張性頭痛
この頭痛は名前の通りに頭や頸部周りの筋肉が緊張し生じる頭痛です。
先ほどの片頭痛とは違い痛みは『非拍動性』で締め付けられるような痛み、頸部、肩部のコリ、頭重感などが特徴的です。
めまいや悪心を伴うこともあり頭のこめかみを圧迫すると軽減することもあります。
③群発性頭痛
この頭痛の特徴は『急に激しく生じる』ことです。
夜間に多く眼窩(目の窪み)から側頭部にかけて『えぐられるような痛み』が生じます。
男性に多く群発期と寛解期があり痛みが続く時期と全く生じない時期を繰り返します。
またこの頭痛は『飲酒』、『喫煙』により増悪することが多いです。
流涙や鼻閉感、結膜充血、交感神経障害症状などを伴うこともしばしばあります。
④疾患による頭痛
これは何か脳などに疾患がありそれが原因で頭痛が生じているような状態です。
痛みや発生機序なども疾患により様々なパターンがあります。
有名な例だとクモ膜下出血に伴う激痛があります。
クモ膜下出血が生じると今までに感じたことのないような激痛が起こりまるで後ろからバットで殴られたような痛みと例えられることが多いです。
頭痛は何か特定の疾患のサインとなることもある症状でもあります。
●鍼灸治療
①片頭痛
片頭痛に対しての治療は血管運動を安定させ自律神経系を調節したりします。
頸部や肩部などの硬結部(硬くなっている部位)に鍼やお灸を行ったりもします。
その他に生活面での指導を行うこともあります。
②筋緊張性頭痛
このパターンが鍼灸院などに来院されるパターンで一番多いと思います。
普段長時間パソコンを使用していたり同じような姿勢が続く方に多いです。
緊張している筋肉は頸部や肩部と幅広く存在していますのでその硬結部や圧痛部、反応点に鍼やお灸を行います。
筋肉の弛緩と共に滞った血流の改善も促します。
マッサージと並行して行うと効果的です!(^^)!
③群発性頭痛
この頭痛は程度により鍼灸治療の適応、適応外となりますが鍼灸では東洋医学的な治療を行うことが多いです。
医学的な検査で異常が見られなく原因不明の場合や薬などで効果が望めない場合には東洋医学的に評価して治療を行います。
西洋医学とは異なる観点で治療することにより改善を目指します。
これと言った決まった治療法はなくその院の鍼灸師の配穴などにより異なります。
④疾患による頭痛
この場合の鍼灸治療は原則『適応外』となります。
原因となる疾患をしっかり特定しその治療を優先して行います。
疾患によっては前駆症状や特有な兆候が存在しますので鍼灸師はそのような疑わしい所見を見つけたら専門の医療機関に受診を勧めます。
鍼灸師はこのような他の疾患との鑑別を行い鍼灸治療の適応かどうかを判断するために大学や専門学校で3年以上病気などの専門分野の勉強も行います。
●まとめ
頭痛は一言に言っても様々な症状や発生機序が存在しそのタイプによって治療法も変わってきます。
まず鍼灸師は鍼灸治療の適応なのかどうか判断しそこからその頭痛の原因を考え治療を行います。
ですので時には他の重篤な疾患に伴っているため適応外と判断し専門の医療機関への受診を進めることもあります。
鍼灸治療の適応内であれば血管運動を安定させたり自律神経系を調節したり筋肉を弛緩させたりして治療を行います。
頭痛は身近な症状であり慣れてしまい諦めていると言う方も多いです。
ですが適切な治療を行えば改善する確率も高く、いつも感じているストレスや痛みを和らげることができます(*^^*)
当院では鍼灸師が行う鍼灸治療と別に柔道整復師が行う手技療法も場合によっては並行して治療を行います。
何か頭痛に関して気になること、悩みがある際には是非ご来院ください(*^_^*)