40代、50代、と年齢を重ね行くとだんだん身体の不調が気になってきます・・・
その一つに『肩関節周囲炎』いわゆる四十肩、五十肩があります。
この疾患は主に肩が痛くて動かせない、そのままにしていたら全く肩が挙がらなくなってしまった・・・
などの症状が生じてきます。
肩関節は人体の関節の中で最も可動域が広い関節です。
前後左右と広く動きます。
そのために何か問題が発生すると日常生活動作に大きく影響が出てきます。
ではなぜそんな四十肩、五十肩が生じてきてしまうのでしょうか。
●筋肉が萎縮し始める。
肩周りの筋肉など、身体の筋肉は個人差もありますがだいたい40代、50代頃から徐々に委縮し始めるとされています。
委縮とは簡単に言うと縮んでしまうようなことです。
筋肉が萎縮すると当然出せる力も少なくなってしまいます。
ですが動かそうとする本人にとっては委縮している感覚などないので普段と同じように動かそうとします。
筋肉にとっては委縮して力が出せなくなっている状態ですので無理に動かされているような状態です。
●炎症が生じてくる。
筋肉を無理に使っていると『炎症』が生じてきます。
肩関節の内部で炎症が生じている時は熱感もありますし痛みも伴います。
特に痛みに関してはこの時期が一番強いとされています。昼夜関係なく痛みは出現しますが特徴的なのは『夜間痛』と言って夜間、寝ている時にも痛みを訴えることです。夜間痛のため睡眠障害が起こってしまったりすることもあります。
衣服の着脱動作などの日常生活にも支障をきたします。
●拘縮が起こる(固まる)
炎症が生じて痛みがだいぶ強くなってくるとそもそも肩を動かそうとしなくなります。
そのまま肩を動かさない生活が続くと肩関節は拘縮と言って固まって動きが著しく制限されるようになってしまいます。
これは肩関節に限ったことではなくどの関節でも同じようなことは起こりえます。
関節の運動を潤滑に行えるように関節内には潤滑剤の役割を果たしている滑液と呼ばれる液体が存在します。
その滑液は関節を使わなくなって動きがなくなると固まってしまいます。
このような要因と筋肉の萎縮などが合わさって拘縮が起こります。
痛みは炎症が生じている時ほどではありませんが動かない範囲から無理やり動かそうとした際や寝返りなどで大きく動かした際には痛みが強く生じます。
痛くない可動域内で日常生活を行うようになり衣服の着脱動作など不便に感じることは多いです。
特徴的なことは温めたりお風呂に入っりすると痛みが軽減したり可動域が回復したりする点です。
だいたいこのような流れで進行していきます。進行速度は個人差が大きいですので必ずしも40代、50代に発生するわけではありません。
肩周囲の筋肉の萎縮や炎症が生じてくるのがだいたい40代、そこから関節を使わなくなり拘縮へと移行するのに10年ほどかかるとされていて次第に拘縮してくるのが50代頃になるため総称としてそう呼ばれていることが多いです。
この疾患の特徴的な面として何もしていなくても回復する時期があります。
何もしなくてもと言うよりは炎症が生じている時期や拘縮した時期などその症状に合わせて人それぞれ痛みなどを回避するために日常生活動作を工夫したり自分で温めたりすることが多いです。そのようなことを繰り返していると徐々に痛みや可動域制限が楽になってきます。楽になってくるのも個人差が大きいので必ずと言うわけではありませんが多くは楽になる時期があります。ですが楽になったからと言って治ったわけではないのでいずれまた同じようなことを繰り返します。
このようにいくつかの時期を経て進行していきます。それぞれ名前が付けられています。
『炎症期』、『拘縮期』、『回復期』と分かれています。
そしてそれぞれの時期に合った治療法もあります。
その治療法は次の投稿で紹介していきたいと思います!