産後うつ病とは女性が『出産』を経験した後に生じることのあるうつ症状を主体とした疾患です。
近年では増加傾向にあり最近ではテレビなどのメディアでも取り上げられることが多くなり知名度も上がっています。
ここでは『産後うつ病』に関してや今治療法として注目されている『鍼灸治療』についてまとめていきたいと思います。
●産後うつ病とは?
産後うつは出産後に発症するうつ病のことでありだいたい産後6~8週の間に発症すると言われており日本では罹患率は10%ほどと言われています。
※マタニティーブルーとの違い
産後うつと似たような症状を示す『マタニティーブルー』と言うものがあります。
症状的には産後うつと似ていますがマタニティーブルーの場合、産後1週間ほどで一時的に涙もろくなったり、気持ちの変化が激しかったり不安定になることがありその後消失し日常生活などに支障をきたさないのが特徴です。
産後うつは一時的なものではなく2週間以上うつ症状が続いたり軽快しなかったりするのが特徴です。
マタニティーブルーから産後うつになってしまうケースもあります。
●原因
まず産後うつ病の原因ですがはっきりとした原因があるわけではなくリスクになる要因が色々あります。
元々うつ傾向であったりうつ病になったことがある方、パートナー、両親などに育児を手伝ってもらえず悩んでしまう、自分が母親として責任を果たせているのか心配になっている、出産、育児に対する不安感、心配事、悩みが常に付きまとっしまっている、など
様々です。
出産後のホルモンバランスの異常、自律神経系の乱れなども深く関係してきます。
●症状
基本的には『うつ症状』が生じます。
●不安●気分の落ち込み●イライラする●何事にも興味がない●意欲の低下
●集中力の欠損●考えられない●自殺企図
●食欲不振●頭痛●倦怠感●眠れない
このような症状が多く見られます。自殺企図などは重度の状態の時に見られやすいです。
この他にプラスして産後うつに特徴的なのが『子供がかわいくない』、『めんどうを見たくない』、『会いたくない』など育児に関することが関与してくることです。
●鍼灸治療
まず『産後うつ』と言うものは甘えではなく病気です。
治療や予防にはパートナや両親などのサポートがとても大切になってきます。
1人で思い込んでしまって発症するケースがほとんどです。
しっかり育児、家事などの分担や助け合いを行うことが大切です。
一般的に産後うつはホルモンバランスの乱れや自律神経系の乱れなどが生じていると言われています。
出産により女性ホルモンの一つである『エストロジェン』が減少します。
その変化に脳機能や体が対応できずに情緒や感情に変化が生じさらに自律神経系の乱れも重なりうつ症状が生じてくると言われています。
鍼灸治療では自律神経系の乱れを調節し不安定になっている情緒や感情の改善、うつ症状によって生じている筋肉の緊張、血流の障害などを改善させていきます。
鍼灸治療には『自律神経系を調節する効果』が証明されておりこれがうつ病などに効果的と言われている所以だと思います。
自分の中のスイッチがずっとOFFの状態になっており思考や行動も消極的になる時間が続けば続くほど症状が長期化してしまったり治癒が難しくなってしまいがちです・・・
そこを鍼灸治療で調節し元の状態に戻し前向きになれるように指導します。
また薬やこのような治療も大切ですが『カウンセリング』や『気持ちを吐き出したり同じ境遇の人の体験談や復帰のエピソードなどを読んだり聞いたりする』ことも重要です。
1人で抱え込んでしまっていることが大きな要因の一つですので周りがいつでもサポートできる、同じような人が自分以外にもいることなど自分以外のことも知ってもらったりすることも大切です。
●まとめ
産後うつ病とは女性が産後に生じるうつ症状であり一時的に短期間で軽快する『マタニティーブルー』とは異なる疾患です。
うつ症状を主体とし産後の育児などの悩みや不安、周りのサポート不足、自分一人で抱え込んでしまう、ホルモンバランスの変化、自律神経系の乱れなどのことが要因となり発症します。
治療法としてはカウンセリングや薬などがありますがうつ症状を改善させる目的として『鍼灸治療』も効果的です。
このような繊細なメンタルの疾患は早期に治療することがとても大切です!
もしも一人で悩みこんでしまっていたり不安や緊張に押しつぶされそうになっている場合にはまだ早期に治療や改善が可能ですので家族や親友、パートナーに相談したり専門の医療機関を受診したりするようにしましょう。