今回は子供の成長期に発生する骨端症について紹介したいと思います。
○骨端症って何?
骨端症とは子供の成長期に運動などの外力が原因で骨の骨端部に阻血性壊死などの症状が出る疾患をまとめて言う疾患です。
大きく分けて『牽引型』と『圧潰型』とに分類されます。
いくつか有名な骨端症を詳しく見てみましょう(*’▽’)
○ぺルテス病(圧潰型)
この疾患は成長期の大腿骨頭の阻血性壊死であり原因は不明ですがケガや内分泌疾患などが考えられています。
この疾患は女子が発症すると男子よりも予後が不良と言う特徴があります。また発症年齢が遅いほど(9歳ぐらい)予後が不良とされています。
症状は主に跛行です。疼痛は股関節以外にも大腿部前面、外側面、膝関節にも及ぶことがあります。
特に特徴的なのは炎症症状はないが可動域制限が必発することです!
○オスグッド・シュラッター病(牽引型)
こちらは骨端症の中でも知っている方も多く、発症した方も多い疾患だと思います。
成長期の膝を伸ばす行為のやりすぎで脛骨粗面部が裂離損傷するケースが多いです。オーバーユース。
発症は13歳ごろがピークとされています。男子に多く脛骨粗面部の隆起(もりあがり)、疼痛、運動痛などが主な症状です。ですが重症例では症状が異なることがあります。
診断は脛骨粗面部の隆起があるため容易に診断できます。
治療法は主に大腿四頭筋のストレッチ、安静、が一番重要となっています。疼痛軽減のためのシュラッテルバンドも有効です。
○ブラント病(圧潰型)
こちらも成長期の脛骨に発症する疾患です。脛骨の上側が骨化する特徴があります。原因は不明です。
症状は脛骨の内側が骨化するのでそれに伴って脛骨が内側に曲がってくるのが主症状です。
また3歳以下で発症した場合は両側性、4歳以上で発症した場合は片側性に発症しやすいとされています。
脛骨が内側に曲がってくるので外観が内反膝(O脚)のように見えます。
○セーバー病(牽引型)
アキレス腱が踵骨を牽引して炎症、無腐性壊死を起こす疾患です。
7,8歳ぐらいの活発な男子に好発するといわれています。(肥満体形の男子も)
この疾患は比較的予後が良好な場合が多いです。
症状は踵骨部の疼痛をさけるためつま先歩きをする、運動痛、圧痛などです。
○キーンベック病(圧潰型)
こちらは手の月状骨と言う骨の疾患です。手関節の使い過ぎなどにより血行障害が起こり月状骨の軟化、圧潰が起こります。好発年齢は20歳代に多いです。50歳代まで発症すると言われています。
症状は手関節の疼痛、運動痛、握力低下、腫れなどです。
リキトマン分類により病期をステージ1~4に分類します。
○ケーラー病(圧潰型)、第1ケーラー病
足の舟状骨に発症する疾患です。第1ケーラー病ともいわれます。
3~7歳に多く歩行の際に痛みを避けるため跛行を呈することが多いです。
○フライバーグ病(圧潰型)、第2ケーラー病
第2中足骨骨頭に発症する疾患です。原因不明ですが血行不良、ストレスなどが関与していると考えられています。
13歳前後の女子に多く発症します。
症状はこちらも痛みを避けるような歩行が特徴的です。
今回紹介したものは少ししかありませんが骨端症には予後が良好で治りのいいものもあれば予後不良で長期治療を要するものまで様々です・・・
骨端症は診断にX線が有効なのでなにか気になることがある場合には一度検査をされてみるのがいいでしょう。