生理痛は女性であれば誰もが経験することであり『痛くて当たり前だしそんなこと気にしてられない』なんて考えている方も多いです。
生理痛には個人差がありそんなに苦に感じない方もいれば痛みが強くて日常生活に支障をきたしてしまっている場合や薬を飲んでも痛みが緩和されなかったり薬なしでは不安になってしまうなどの意見も多いです。
そこで今回は東洋医学に精通した鍼灸師が教える自分でも押したりできる生理痛を緩和させるツボを紹介したいと思います。
●生理痛が生じるメカニズム
まずそもそも生理痛はどのようなメカニズムで生じるのでしょうか?
生理痛についておさらいしますが生理は子宮内膜が妊娠成立しなかった場合に体外に排出されて起こる現象です。
子宮内膜は排卵と共に受精卵を迎えるために厚く肥厚します。
ですが妊娠が成立しなかった場合はこの厚くなった子宮内膜は血液などと共に体外に排出されますがその際に痛みが生じたりホルモンバランスが乱れ感情が不安定になったりすることがあります。
これが生理痛が生じるメカニズムです。
この一連の流れの中でも出血量が多かったり痛みを感じやすかったりなどの個人差があるため生理中の症状にはその人によって差が生じます。
この個人差についても自分は他人と比べて症状が重い方なのか、とか何が原因で痛みや不快感が生じているのかなどを自分自身で知っていると生理中であっても何で痛いのかなどを把握することができるので冷静に効果的な改善法を選んだりできると思います。
●生理痛を和らげる色々な解消法
◆体を温める
単純なことですが体を温めると様々な良い効果があります。
例えば体を温めるとホルモンバランスが整い痛みを発生させている物質の作用を弱めて痛みを緩和してくれたり副交感神経が優位になりその作用で痛みやイライラで疲れている体をリラックス状態にさせ休ませてくれたり血流が良くなるので代謝が亢進し便秘やむくみの解消にもつながります。
◆ツボ押し
東洋医学の考えでは体には経絡と言う体の中の『気』などの生理物質が巡っているルートのようなものがあります。
その経絡上に存在しているのが『ツボ』です。
わかりやすくイメージすると経絡が電車が走る路線でツボがその路線上にある駅のようなものです。
この経絡上にあるツボを刺激することでその経絡上に生じている痛みなどを軽減する作用があります。
ですが紹介するツボを刺激すれば絶対に症状が緩和すると言うわけではなくその人の体質や症状の現れ方などで乱れている経絡も変わってくるので自分に合ったツボを知って刺激することがポイントです。
◆軽いストレッチ
体を適度に軽く動かすと血流が良くなったりストレス解消に繋がったりします。
ジョギングなども良いですがそんなに体を動かすのはちょっと憂鬱なんて方はストレッチがおすすめです。
特に骨盤周りの『大腿四頭筋』や『腸腰筋』などの比較的大きな筋肉をストレッチすることで作用も高まり効果的です。
●鍼灸師が教える! 生理痛を緩和させる効果的なツボを紹介
◆合谷(ごうこく)
<期待できる効果>
生理痛の緩和 肩こり、頭痛、歯痛の緩和 眼精疲労
合谷は万能なツボと呼ばれており様々な症状に対して効果的です。
場所がわかりやすく簡単に押せるツボですので気軽に押すことができるのも特徴です。
場所は親指と人差し指の骨が交差する部位のやや人差し指側で押すとジーンっとくる部位です。
◆腎兪(じんゆ)
<期待できる効果>
生理痛、腰痛の緩和
腎兪は腎に繋がっているツボで腎は東洋医学では生命活動のエネルギー源を貯蔵している部位です。
ですので考えすぎや気を使うことが多くエネルギーの消費が多い方には効果的です。
また東洋医学で白髪などは腎の働きが衰退してくると生じるとされており白髪が多い方は腎が弱っている可能性が高いので腎のツボを刺激すると良いでしょう。
場所はウェストの一番くびれた部位の背骨から指2本分外側に向かった場所です、
◆関元(かんげん)
<期待できる効果>
生理痛の緩和、冷え性の改善
関元はお腹にあるツボでこのツボを温めたりすることで骨盤内の子宮などの臓器を温めることができ体の内側からポカポカにしてくれ繰り返し行うことで冷え性の改善にもつながります。
場所は人差し指をおへそに当てた時に小指が当たる辺りです。
◆血海(けっかい)
<期待できる効果>
生理痛の緩和、血液の巡りを良くする
このツボは名前に血と言う文字が入っているように血流を良くしてくれる効果が高いです。
生理痛の痛みが激しい時に効果的なツボです。
◆足三里(あしさんり)
<期待できる効果>
生理痛の緩和、胃腸の不調緩和
足三里は有名なツボで名前は知っているなんて方も多いです。
胃腸の不調を改善するにはかなり効果的なツボで生理時に胃が痛くなる方やお通じが悪くなる方には適したツボです。
また口の周りや顔面に吹き出物ができやすいタイプの方にも効果的です。
場所は膝のお皿の下に人差し指を当てた時に小指が当たる辺りのスネの外側です。
今回紹介したツボはどれも比較的万能なツボです。
ですが万能だからと言ってむやみに全部刺激すればいいわけではありません。
生理が早かったり遅かったり経血量が多かったりその時の自分の体調や体質と照らし合わせて適切なツボを刺激してあげるのが一番効果的です。
●まとめ
今回は女性の多くが憂鬱に思っている生理痛の痛みを緩和させるツボを紹介しました。
市販されている鎮静剤で痛みを軽減することもできますが自分の体に存在するツボを使って押すだけでも緩和させることも可能です。
ツボ押しの効果はとても高く自分の体調や体質に合ったツボを選択してセルフケアの気持ちで気軽に刺激してみましょう🌼