肩関節は、動かす機会が少ないと固まって炎症をおこし痛み出しやすいです。
五十肩・四十肩になってしまった場合も、治療は運動療法が中心となります。
「四十歳を過ぎたころから、運動をすると軽い肩の痛みを感じるようになった。
年齢のせいかなと軽く考えていたが、昨年末の大掃除のときに無理をして
激痛が走った。肩が痛くて腕が上がらない状態が1週間続いた。やがて、
痛みは楽になったが、肩の動きが悪くて、背中に腕が回らない。」
こんな肩の痛みの症状を五十肩・四十肩といいます。中高年に多い
肩のトラブルです。(五十肩・四十肩というのは俗称で、正しくは肩関節周囲炎
といいます)しかし、五十肩・四十肩の痛みをかばいながら生活していると
肩の関節が固まって動かなくなってしまうこともあります。肩関節の老化は、
運動不足だと進みやすいのです。
●原因と症状
五十肩・肩の痛みの原因は、老化によって硬くなった肩関節の腱や関節包の
炎症です。これがふとした動作で悪化し、肩が上がらなくなった状態を
五十肩・四十肩といいます。重症の場合は肩腱板(けんけんばん)損傷と
いって腱が完全に切れてしまいます。その場合、手術が必要なので、痛みが
強い場合は必ず整形外科を受診したい。五十肩・四十肩の痛みのため
肩関節を動かさずにいるとやがて肩の関節が動きにくくなる。炎症により
腱が石灰化という固まった状態に変化したり骨が変形したりする。
・棘上筋腱:肩の骨を引き上げる筋肉が骨とつながる部分炎症があると、
腕を上げたときに腫れた部分が肩の骨とぶつかって激しい
肩の痛みを起こす。
・関節包:関節をスムーズに動かすクッションの働き炎症による肩の
痛みで長時間動かさないでいると変形し、肩関節の動きを妨げる。
肩関節周囲炎(一般的に五十肩・四十肩)は、ある日突然肩が痛んで夜も
寝れない、じわじわと徐々に肩が痛くなり動かなくなるといった症状が
特徴です。こうした痛みは1年~1年半位は、続くことがありますが、必ず
よくなる病気ですから、運動療法を中心的に根気よく続けましょう。
●注意事項と治療法
日頃から肩の保温に気をつけて下さい。肩の保温サポーター等も上手に
利用しましょう。肩を動かすときはゆっくりと。重い荷物の持ち運びは
できるだけ少なくしましょう。五十肩・四十肩に冷えは大敵です。
寝ている間の肩の冷えには、特に要注意です。但し、五十肩の状態に
よっては、冷やすことも治療になりますので、あまり痛みがひどい場合
や肩が動かなくなってしまった場合は、医療機関を受診することを
おススメいたします。急激な痛みには安静にして、蒸しタオルやお風呂で
温めましょう。肩の運動は動かせる範囲まで動かすように努めて下さい。
ただし痛くない範囲で、無理は禁物です。
※五十肩の治療は、かなりデリケートで、治療をする側にとってもかなり
気をつかう疾患になりますので、少しでも、危険を感じたらすぐに
医療機関に相談を求めるようにお願いします。無理をすると必ず悪化
しますので、なにかお困りの際は気軽に当院へご相談下さい。