寝違えとは多くの方が経験したことのあるであろう症状で首周りに痛みやそれに伴う可動域の制限などが生じる症状です。
その原因は頸部の位置が関係していたり、良かれと思って温めたり冷やしたりすることが逆に症状を悪化させてしまっていることもあります。
ここではそんな『寝違え』について解説していこうと思います。
寝違えとは?
寝違えとは主に就寝中に首や肩周りの筋肉に持続的な負荷がかかる体勢をとったことにより起床し動かした際に痛みや可動域制限などを生じる疾患です。
日常生活ではよくある非常にありふれた症状で多くの方が一度は体験したこともあるかと思います。
症状の程度も少し気になる程度で別に動かすことも問題なくできる軽度なパターンから寝て起きたらその状態から痛みで首を全く動かすことができずその状態が数日にも及ぶ場合もあります。
寝違えの程度にもよりますが周囲の神経を圧迫し腕や指先にしびれのような症状が生じることもあります。
寝違えの原因
寝違えの原因には様々な要因があるとされていますが明確な原因は不明とされています。
ですが主な原因として考えられているのは就寝中や長時間無理な体勢をとったことにより首や肩周りの筋肉に負荷が生じたり部分的な血行が低下したりすることが多いとされています。
睡眠を十分取れていない状態や浅い状態の時に生じやすいとされており疲労や精神的影響を受けやすいともされています。
またよくある原因として枕の位置が合わなかったりすることも多いです。
直接的な原因ではありませんが冷房などで体が冷えていたり長時間のデスクワークなどで首肩周りの筋肉が緊張していたり、過度にスポーツなどで筋肉を酷使するなどのことが多いと寝違えを起こしやすいとされています。
寝違えで生じる症状
寝違えによって生じる症状は様々なものがありますが筋肉痛のような鈍い痛みが首を動かすと同時に生じるのが一番の特徴です。
ただ正面を向いている状態だけであっても痛みが強い場合もあり不自然に傾けていないと立っていられないというケースもあります。
筋肉が過度に緊張している状態なので少し動かすだけでも痛みが生じやすくそのせいで首の可動域も低下します。
また周囲の神経が筋肉に圧迫されその状態が長く続くと腕や指先にしびれが生じることもあります。
場合によっては自律神経も乱れ気分が悪くなったりするなど筋肉以外の症状を生じるケースもあります。
寝違えの症状はだいたい2.3日、症状がひどい場合でも多くは一週間ほどで緩和してくることがほとんどです。
ですが中には注意しないといけない場合もあります。
※痛みの程度が激しかったり、頻繁に生じる、症状がかなり長引いている
※発熱や手足のしびれを伴う
このような症状は注意が必要でただの寝違えではなく『頸部椎間板ヘルニア』『腫瘍』『頸椎亜脱臼』などの疾患が潜んでいる可能性がありますので少しでもおかしいと思ったら放置せず専門の医療機関を受診するようにしましょう。
温める?冷やす?
寝違えをした際によくある質問で温めたほうが良いのか、それとも冷やしたほうが良いのかどちらが良いのかわからないと言う質問をよく聞きます。
これはその場合によるのですが基本的に早期の場合には炎症が生じていることが多いので冷やしたほうが良いでしょう。
数日たってもあまり痛みや違和感が取れない場合には筋肉が硬くなり周りの血流も低下していることが多いので温め筋肉の張りを緩めたり血流を促進させてあげましょう。
痛みが生じた直後や触って熱っぽい感じがする→冷やす
数日たっても違和感があり触ると硬い感じがする→温める
このような認識でよいでしょう。
治療の流れ
不自然な体勢が続いたことから周囲の様々な筋肉が緊張し張っている状態のことがほとんどです。
ですので筋肉の緊張を緩めることがポイントになってきます。
手技療法や電気療法で筋肉を緩めることはもちろん効果的です。
ですが注意点として張っているからと言って強く揉んだり入念に揉んでしまうと逆に症状を悪化させてしまう可能性があります。
緊張状態の筋肉に無理に刺激を加えると筋肉は防御反応から自然と収縮します。その収縮した状態でさらに刺激を加えるとより緊張が増し痛みが増幅してしまうことがありますので緩める際にはとにかく優しく焦らないで緩めることが大切です。
最近注目されている治療法として『鍼灸治療』があります。
鍼灸治療は即効性が高く様々な不定愁訴に対応できるような特徴があり寝違えに対しても効果を発揮します。
特にしっかり緩めることができない初期の段階では指圧では到達できない箇所に直接アプローチでき鎮痛などの効果を発揮します。
鍼灸治療に関しては他の記事に詳しくまとめてありますので是非ご参考にしてください。

まとめ
今回は身近な症状でもある『寝違え』について解説しました。
寝違えは主に就寝中に首や肩周りの筋肉に持続的な負荷が生る体勢が続き起床時などに動かした際に痛みや違和感が生じる症状です。
原因も様々で、症状の程度も数時間で気にならなくなる軽度なものから数日痛みや違和感が取れない場合もあります。
自分自身で激しく揉んでしまうと症状を悪化させてしまうこともありますので注意が必要です。
しっかり専門の医療機関で状態を把握し適切な治療を受けるようにしましょう。