生理痛は女性であれば誰もが経験したことのあるお腹周りの痛み、腰痛、頭痛、気分の落ち込みなどの不定愁訴を総称した言い方です。
一般的には生理中にホルモンバランスが乱れ痛みを発生させる物質が増えたりバランスが乱れるため感情も不安定になるとされていますがその人の体質や生活習慣で生じる症状や程度は変わってもきます。
自分自身の生理痛のタイプを知っていると何が原因で痛みや不快感が生じているのかを把握できたり不足しているものを補ってあげられたりします。
今回は東洋医学的に生理痛を分析し生理痛の中でも特に多い3つの症状について解説していきたいと思います。
●一般的に考える生理痛の原因
一般的に考えられている生理痛の原因は
『ホルモンバランスの変化』によるとされています。
生理痛は妊娠が成立しなかった場合の卵子や子宮内膜が血液などと共に体外に排出される際に生じる痛みなどのことですがこの際にホルモンバランスが乱れやすく、その乱れ具合に個人差があるため生理痛にも個人差が生じるとされています。
生理痛が辛くて憂鬱と言う方もいればそんなに辛くないと感じる方もいます。
タイプ1 月経周期が短い 経血が薄い めまい寒気 立ちくらみが起こりやすい
生理中に手足が冷えたり寒気を感じやすい、不眠、めまい、立ちくらみ、無気力などが続く、生理が遅くなりやすいなどのことが目立つ方は
血虚(けっきょ)タイプです。
血虚とはその名の通り体の血液が少なく不足している状態のことです。
血虚タイプでは無い方は生理中出血が起こっても体の中にまだ血液が残っていますが血虚タイプの方だと元々少ない状態から出血を起こし少ない血液がさらに少なくなってしまいまいそこからその方の通常の血液量に戻すのに時間がかかってしまいます。
それが原因で次の生理までの時間が長くかかってしまうので生理周期も遅れがちになることが多いです。
また血虚には血液量が普通であっても、使い古された機能していない血液が多い状態も含まれます。
血液の量が少ないので貧血を起こしやすかったり肌に艶が無く張りも無いような状態になりやすことも特徴です。
その他の特徴としては抜け毛が多い、爪が脆くなりやすい、目が霞む、髪の毛に艶が無くなる、動悸、不眠気味(眠りが浅い)、顔色が青白いなどがあります。
血虚の場合は血液量が少ないので経血の量も少なく色も薄く水っぽい感じになることが多いです。
この血虚タイプの症状が重かったりひどい場合これを放置していると将来『子宮内膜症』や『不妊症』などと言った疾患に繋がってしまうこともあるので要注意です!
<血虚タイプの特徴まとめ>
経血量が少なく色が薄い
寒がり、手足が冷える、乾燥肌
肌や髪の毛に艶が無い、顔色が青白い
めまいや頭痛が生じやすい
目が霞んだり爪が脆い
タイプ2 胸が張る 情緒が不安定になりやすい イライラしやすい
生理中に胸やお腹が張ってきたり特に何もないけどイライラしやすい、生理周期が早かったり遅かったりとバラバラな方は
気滞(きたい)タイプです。
気滞とは体を常に巡っている『気』がどこかで停滞している状態のことです。
気が停滞するためお腹や胸が張ってきたり情緒が不安定になりやすく特にイライラしやすくなります。
また体のエネルギーの循環が悪くなっているので寝つきが悪くなったり頭痛が生じたりもしてきます。
この気滞の症状も程度が重かったりすると『自律神経失調症』や『不眠症』、『不妊症』
などの疾患の原因になってしまうこともあります。
<気滞タイプの症状まとめ>
イライラしやすい
胸やお腹が張りやすい
寝つきが悪い、頭痛
タイプ3 生理痛が強く経血に塊が混ざっている場合が多い
生理痛が重かったり特に痛みが強い場合や経血中に細かな塊のようなものが混ざっていたり経血が黒っぽい、生理前になると体の不調が起こりやすい、顔色が悪いなどの症状がある方は
瘀血(おけつ)タイプです。
瘀血とは体の中で循環し使い古された新鮮ではない血液のことを言い正常なら代謝されますが瘀血が体内に溜まってくるとこのような症状が生じやすいです。
特徴は瘀血はドロドロしていて流れが悪いので子宮などで長く停滞してしまうとそこで痛みを発生させてしまったり血液は停滞していると固まる性質があり子宮内で固まった血液が出血の際に塊として排出されたり顔色も悪く痛みが長引きやすいことです。
そしてこの瘀血はPMS(生理前症候群)の原因ともされており生理前になると体調を崩しやすかったり精神的に不安定になりやすい方は瘀血タイプに近いかもしれません。
このような症状をそのままにしていると『子宮筋腫』『多嚢胞性卵巣症候群』『不妊症』などを発症する可能性が上昇すると言われているので要注意です。
<瘀血タイプの症状まとめ>
生理痛が強い 経血に塊が混ざる
顔色が悪い 肩こり
頭痛 体にアザができやすい
PMSと言われたことがある
●まとめ
今回は生理痛で多いタイプを3つに分類しそれぞれの症状や特徴を解説しました。
どのタイプもそうですが正常に機能しているはずの物質が異常を起こしそれに伴って様々な症状が生じておりこの原因を把握し弱っているなら補う、停滞しているなら巡らせるなどそのタイプに合った対策を行うことで症状を軽減することができます。
そのままにしていると将来子供を授かりたい時に子宮の状態が悪かったり上記のような疾患に移行していて大きな支障になってしまうこともありますので不安な場合は早めの対策を行いましょう。