小さな子供の脱臼? 肘内障について

柔整治療

小さな子供(主に5歳以下)に発生する肘の脱臼である『肘内障』をご存知でしょうか?

この疾患は肘関節の構造に関与している骨が靭帯から抜けてしまい発生します。

お子さんがいる方や保育士の方などには馴染みのある疾患だと思います。

ここでは小さな子供に発生する『肘内障』についてまとめていきたいと思います!

●肘内障とは?

肘内障とは肘関節を構成している『上腕骨』、『橈骨』、『尺骨』の骨のうち『橈骨』の先の方の橈骨頭と言う部位が靭帯から抜けてしまいそれに伴い関節運動の制限や痛み、違和感を生じる疾患です。

発生原因として肘を伸ばしたまま上の方に引っ張られることが圧倒的に多いです。

肘関節が伸展位で回内方向に引っ張られると言う感じです。

例として買い物中に子供がおねだりやダダをこねて座ろうとした際に急に引っ張り上げるような状態で発生します。

その他にも寝返りによる自重での発生も見られます。

状態としては橈骨頭が脱臼しているのではなく『亜脱臼』の状態です。

一般的に5歳以下の子供に男女差なく生じる疾患です。

『肘内障』

●小さな子供にしか発生しないの??

肘内障は一般的に5歳以下の子供に発生します。

ではそれより年齢が上の子供は発生しないのかと言うと骨や靭帯も年齢に合わせて強靭、強固になっていくのでそのような外力では発生しにくくなります。

それよりも『肘関節の脱臼』となることがほとんどです。

またその他にも5歳以下の子供の橈骨頭と靭帯の構造上の問題があります。

橈骨頭を囲んでいる靭帯は橈骨輪状靭帯と言います。

その橈骨輪状靭帯に橈骨頭がはまっているような構造をしています。

5歳以下の子供では橈骨頭の成長が完ぺきではなく先端が丸い形をしています。

そのために靭帯から抜けやすい構造になっているので5歳以下に発生しやすいとされています。

だいたい5歳を過ぎてくると橈骨の成長が進み橈骨頭も丸い形から下の方がくびれてきて簡単には靭帯から抜けないような構造になっていきます。

このような構造上の問題があるために5歳以下では軽度な外力で靭帯から抜けてしまい亜脱臼状態の肘内障になりなりやすく、5歳以上では外力に対して強固になるので発生は稀になりもっと強い外力が生じた際に肘関節の脱臼や骨折と言ったケガになりやすいような状態になります。

このよな構造上の問題のため小さい子供にしか発生しないとされています。

●こんな時には肘内障を疑いましょう!

肘内障はそんなに鑑別が難しくない疾患ですのでこんな時は肘内障を疑いましょう。

①子供の腕を引っ張ってしまい泣いてしまった時。

②腕を一定の肢位から動かそうとしない時。

③腕を上げるのを痛がったり、嫌がったりする時。

このような時は肘内障が発生している可能性がありますので要注意です。

●対処法は?

そんな発生頻度の高い『肘内障』ですが対処法はないのでしょうか?

結論から申しますとむやみやたらと動かしたり戻そうとしない方がいいです!

外見まで変形しているのがわかる脱臼などではさすがに専門医に託す方がほとんどですが肘内障は外見上の変形は無く軽症と考えて自分自身で治そうとする方も少なくありません。

亜脱臼の状態ですので適切な方法で整復を行わないと橈骨頭の位置がずれてしまい整復が難しくなってしまったり逆に痛めてしまう可能性が高くなってしまいます。

もしも肘内障っぽい状態になってしまったら落ち着いて整形外科や整骨院などの専門の医療機関を受診し整復をゆだねることをおススメします!

●まとめ

肘内障は肘関節を構成する骨の一つである橈骨の先端の橈骨頭がそれを取り巻く橈骨輪状靭帯から抜けてしまい主に5歳以下に発生する疾患です。

発生頻度は高く日常的に生活している中でも発生する可能性があります。

大切なのはもしも疑わしい症状の際にはむやみに動かさずなるべく早く専門の医療機関を受診し整復をゆだねることです。

予防としては手をつないでいる際は急に引っ張らないようにきおつけたりすることが大切です。

適切な治療を行えば肘内障は特に固定やリハビリなども必要ないので小さなお子さんがいる方はきおつけましょう(#^^#)

当院では平日夜20時まで診療を行っておりますので何かあった際はお電話ください。

また診療時間外であっても緊急の場合は治療を行えることもありますので何かあった際はお電話ください!

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