古典的な鍼灸治療

鍼灸治療

鍼灸治療には大きく分けて3つの思想や治療方針が存在します。

『古典的鍼灸』、『中医学的鍼灸』、『現代医学的鍼灸』

この3つがあります!今回はこの中でも『古典的鍼灸』について紹介していきたいと思います!(^^)!

古典的な鍼灸は東洋医学そのもの

東洋医学と言うものは今から約2千年前に中国の古代医学として誕生し日本や東アジアなどでそれぞれの発展を遂げながら行われてきた医学になります。鍼灸や湯液(漢方薬)、気功、導引なども含まれます。

大きな特徴として東洋医学の理論では、人間と自然環境との統一性を重視していて、体全体がひとつのつながりを持った生命体である。と言う理論が中心にあります。

陰陽、経絡、経穴、津液、気、血、などの西洋医学にはない考え方を用いて身体の病んでいる部位を見つけ四診(望診、聞診、問診、切診)と言う方法でその人の生活スタイルやクセ、どの部位がどうなっているのかなどを判断し治療法を決定していきます。

このようなことが現代の西洋医学とは違う面になってきます。現代までの臨床の中で新たに追加されたもの、工夫されたものと変化は生じていますがそれらをまとめた文献などを参考にこの思想を中心に治療を行うのが古典的な鍼灸治療です。

人と自然は同じもの?

東洋医学では人間と自然環境の関係の考え方で『天人合一思想』と言う考え方があります。

この考え方は人間の形態や各臓器の機能などが自然環境と相応していて人間と自然は一体であることを意味しています。

これはちょっと理解するのに苦戦しそうです・・・(笑)

人間は生活していく中で生命を維持していかなくてはいけません。そのために行っている『食事』、『呼吸』などの大部分は自然界に頼っています。その産物がないと人間は生きてゆくことができません。その根源を生成しているのが自然でありその自然を『大宇宙』ととらえます。そして我々人間の内部に注目すると人体に存在する組織、器官などは場所、目的とそれぞれ異なった機能がありながら個々ではなく全体として有機的なつながりを持っていることから小宇宙が存在すると言われております。

このことから

人間は自然の一部でありその人間の中にも自然(宇宙)が存在すると言われ、この思想が人間と自然は同じものと言う関係性についての考え方です。

まだまだ非日常的で理解するには難しいですね・・・(笑)

例としては、自然環境では温度の高い空気は上昇し温度の低い空気は下降しますよね。そして人体でも同じようなことが起き、上半身はほてりやのぼせが起こりやすく下半身では冷えが生じやすい傾向があります。このように自然界の現象と人間の疾患や症状などが同じような共通性を持っていると考えそのことを疾患の診断や治療などに応用している思想が『天人合一思想』になります。

陰陽学説

『天人合一思想』の他にも東洋医学の思想はたくさんあります。

陰陽学説とはルーツは中国の哲学になりますが陰(日陰)陽(日なた)と言う2つの対立するものにより色々な物事、現象を分類しその相互作用などを考えるものです。東洋医学的には人体の構造や生理機能、疾患や治療法などほとんどすべての考えの基本として使われます。

例えば寒い、静的、下降的、内向的な物事は『陰』に属し

逆に暖かい、明るい、上昇的、外向的、動的な物事は『陽』に属します。

人体としては男女は男性が『陽』女性が『陰』、背部が『陽』で腹部が『陰』などに分けることもできます。

このように様々なことを陰陽に分類し治療や診断に用いるものを東洋医学の陰陽学説と言います。

五行学説

大きな考えとしてもう一つ『五行学説』と言うものがあります。

これもルーツは古代中国の哲学思想ですが自然界の事柄や人体などの現象を『木』、『火』、『土』、『金』、『水』と言う5つの性質に分類し、その関係性などを考える思想です。

医学においては五臓(肝、心、脾、肺、腎)などを中心に分類しその器官、組織の機能や生体現象の関係性などを共通認識したりします。

木⇒肝 火⇒心 土⇒脾 金⇒肺 水⇒腎などの分類があります。

東洋医学の考え

現代医療として用いられている『西洋医学』では主に自然科学を重要視しており、分析や数値化などを基本としております。客観的な評価基準を持ち様々な症状や疾患を局部の病変としてとらえ、身体、精神状態が一定であることを『健康』とする恒常性と言う考えを中心においています。

東洋医学では自然哲学を根本に置き人体をひとつの統一性のある有機体ととらえその有機体の調和や協調性を重要視しています。絶対的な基準を持たずに相対的な認識に元ずく医療です。またその長い歴史の中で臨床から得たものを集約したりしています。西洋医学とは違い恒常性よりは人間の持っている自然治癒能力を高める治療を行います。

現代用いられている医学とは思想や治療法も全く違いその分浸透もしていなくあまりなじみのない医学ですがその効果はしっかりあり現在では研究などが促進的に進められる注目の医療です!

疾患名のつかない不定愁訴の問題だとその症状を和らげることしかできずに根本的な治療法はあまりありません。

ですが東洋医学の鍼灸治療ではその不定愁訴の症状に対して治療法を決めてアプローチできますので効果が表れやすいです(*^_^*)また最近では『健康保険』を使った治療もできるようになってきているのもポイントです!

このような東洋医学としての思想や治療法、古代から続く臨床経験の集約などを重視し治療を行うものが『古典的な鍼灸治療』です。

まとめると病院などで疾患名が付かず治療法もないのでクスリで症状を抑えているものや長年良くならない症状などに現代医学としてのアプローチと違い東洋医学的にアプローチしますので効果を期待できます。

逆子治療や不妊治療、難聴などの疾患なども治療ができます(*^^)v

どこに行っても治らない症状や不定愁訴、婦人科疾患などでお困りの方には効果の期待できる治療法だと思います!(^^)!

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