https://medicalnote.jp/contents/170405-002-XB参照
●原因
体を動かすには筋肉が伸び縮みします。筋肉が直接骨を引っ張る場合と、
筋肉が紐状の丈夫な繊維の束(腱)に付着して、この腱が遠くの骨を
引っ張る場合があります。腱が滑らかに動くために腱を包むカバー
(腱鞘)があり、腱鞘内側には潤滑オイルにあたる滑液が分泌されて
います。この構造は自転車のブレーキワイヤにそっくりです。関節など
曲がる部位では腱が浮き出してしまうため、要所には靭帯性腱鞘という
丈夫な繊維のトンネルがあり、腱はこの中を通ります。この内側にも
滑液があります。腱鞘炎は腱を包む腱鞘の炎症です。毎日の動作で
擦れあうことで一時的な腫れがおきますが通常は短期間に回復します。
しかし、繰り返すうちに小さな古傷が積み重なって痛みや腫れとして
発症します。体の部位によって特徴的な症状があります。使いすぎの
積み重ねが原因ですが、個人差が大きく、遺伝的になりやすい素因が
あるようです。腱鞘炎かと思ったらガングリオンと呼ぶ小さなゼリーの
入った袋(良性腫瘍)が原因だったりする場合があります。また、腱鞘炎
に痛風が合併していたり、小さな傷からの化膿である場合もあります。
●症状
腫れて痛くて熱をもつ急性期には熱容量の大きい湿布薬を用いたり、
アイシングで積極的に冷却します。原因となった動作作業を避けて
痛みのでる動作も避けましょう。慢性期にはテープタイプの貼付剤を
貼るとテーピング効果、サポーター効果と合わせて動作が楽です。
1日中貼付を続けると皮膚に負担となるため時々はクリームやゲル剤を
使用します。腱鞘炎で滑りが悪くなった部分がさびつかないために
そっとだましだましゆっくり時間をかけてストレッチを行います。
筋肉の萎縮を防ぎ局所の浮腫や循環不良の改善に効果的です。
http://sportsdoc.jp/indications/wrist/de-quervain-disease参照
●予防法・注意点
キーボード作業など同じ動作の繰り返しやラケットやクラブなどで急な
収縮による手首の負担が大きくなるスポーツ、家事など1日中使い続ける
ことが原因ですからこれらをほどほどにする必要があります。上手な
休憩が大事です。遺伝的素因、関節の柔らかさ、元々腱鞘が窮屈に
出来上がっているなど腱鞘炎になりやすい方がいます。この場合には
人並みの使い方でも腱鞘炎になります。高血圧症、高脂血症、糖尿病など
生活習慣病は誘因となり治療の長期化に影響します。腱鞘炎は、
だましだまし使っていて、悪化させる方がほとんどです。なにか痛みで
不安があればすぐに医療機関を受診なさって下さい。