ムズムズ脚症候群

◎むずむず足症候群の症状と治療法について。

●症状について

➀両脚の深部(主にふくらはぎの)に不快な痛みや感覚を訴える。
患者は「骨に電流が流れる」、「脚の中で蟻が這い回る」、「脚がズーズーする」、
「足の裏が画鋲を3個も4個も踏みつけたような痛みがして歩けない」など
余人には理解できない症状を訴える。

➁夜間、睡眠中に脚の筋肉の痙攣が頻繁に起きる

(患者の一人はそのときのことを、夜間にふくらはぎが鰹節のように硬直し、その痛みのために悲鳴を上げて泣き叫び、手元にあるものを手当たりしだい周囲に投げつけたと語って
くれました。)その度に飛び起きて脚をマッサージすることが日常となり、その痛みと異常感覚、そして恐怖感のため、睡眠が著しく障害され、逆に日中は眠気に襲われて注意力は散漫となる。また恐ろしい悪夢や金縛りに苛まれると言う。

➂これらの症状は安静時に悪化する。

つまり脚を動かして歩いたり走ったりしている時は
多少なりに痛みは軽減し気が紛れるが、休憩している時や体をあまり動かさない時、
睡眠中などは痛みや不快感が増悪
する。

➃脚部に痺れや感覚異常があり、血色が著しく悪くなり浮腫を認めることが多々ある。
また不随意運動を起こすことがあるという。

➄この病気は年齢が上がるにつれて増加する。

●原因について

この病気の原因については諸説あります。もしここで私にこの病気の原因について
述べさせて頂く事を御赦し頂けるのであれば私は主要な原因の一つとして、骨盤内壁部に
分布する自律神経(交感神経幹)と運動神経、及びその神経根に圧迫や変性、物理的な緊張、病変が生じた事などにより、その機能を障害されこれによって引き起こされる脚部の
局所的な血行障害をその原因として挙げたいと思います。要するに骨盤内壁部(殊に仙骨部
付近)に分布する神経が何らかの理由で障害受けた場合にこの症状が現れると言う事です。
より具体的に申し上げれば次のようになります。

➀主に骨盤内壁部に分布する神経の機能が障害される。

➁この部分の自律神経の支配下にある内臓や血管が、脳幹の支配を受け難くなる。
結果、内臓の動きが悪くなったり、脚部の全体的、或は局所的な血流障害などが
起きたり
する。

➂これにより脚部や下腹部に違和感痙攣鈍痛や鋭い痛み、言語では表現出来ない様な
不快感が生じる。
また便秘になったり、尿が細くなったり、浮腫みや高血圧を生じる場合も見受けられる。

➃➂による絶え間のない痛みや不快感により夜間の安眠が妨げられ、

不安感や悪夢に頻繁に苛まれるようになる。長期間に亘ってこの状態に晒された場合にはうつ状態に陥ることもある。

 

●ムズムズ脚症候群の原因や症状に対する考察

 

私は、この病気の患者さんを治療するうちに治療部位が骨盤内部に集中して行く事に気が付きました。
どういう事だろうと暫らくの間、この事に付いて考えておりましたが漸くその理由ともいえるものに辿り着きました。しかしこれが正しいか否かを別にしても今迄の原因説とは少なからず対立する事になる為、人によっては馬鹿げた事と不快感を抱かれるかもしれません。

それ故これについては飽く迄も状況証拠に基づいた私の推測と直感によるものという事でご了解を賜りたいと思います。
私はこの病気の局在性がどうして生じるのか、なぜ全身性にならないのか答えを求めていました。
治療部位が骨盤内部に集中する事に気が付いた時からここで起きている特別な現象は何だろうと思いを廻らし何とか考え付いたのは、骨盤内壁に他の動物では生じ得ない内臓の圧迫による圧力が発生した事が原因ではないかという事でした。

遠い昔に人類が二本足歩行を始めた時から宿命的な腰痛が発生したように本来ならば腹壁にもたれ掛かっていてしかるべき内臓が骨盤上へ移動することになった事により、骨盤の内壁に圧力が発生し、この圧迫によりここに分布する末梢神経や毛細血管の機能が障害されて行ったのではないかという事です。

単純な構造に感じられますが、大きくは間違っていないと思います。このように想定すると、人類にだけこの病気の症状が発症しかつ人種に関係なく広範囲の国家国民に及び歴史的にも古い時代から有るらしい事などの説明が出来ます。

また妊娠後期の妊産婦にこの症状が頻発しそして出産後に軽快するという事実も膨張した子宮によって骨盤内壁面が圧迫されそこに分布する神経の機能が障害を受けたと考えればこの事態は説明出来ます。

その後にマタニティーブルーといわれる鬱状態が出現すると言うような事は出産による子宮の極度の緊張状態が一気に解放されてしまう為に起きる一時的な虚脱状態と理解します。さらに人工透析をされている患者さんにRLSを発症する人が多いという事もこの部分で血流が停滞するために血液内の有害成分が血管、神経に沈着して症状を引き起こしているのではないかと思われます。

透析方法を変えると症状が消失することが有ると言う事もこの傍証と考えます。RLSに併発するPLMD(周期性四肢運動障害)はこの血流障害と圧迫により骨盤内で末梢神経の機能が障害される為その支配領域の筋肉の細動や痛みによる為の脊髄反射という現象を発症するのではないかと推測しております。

また上肢におけるRLSの発症は内臓による圧迫はありませんが何らかの別の理由による同様の神経障害が発生するものと考えます。

如何にも簡単な説明である為にわかには受け入れ難く敬遠される方々が多いかもしれません。
しかし治療結果は、この部位が主要な原因箇所の一つである事を強く示唆しております。
私が今此処で、どのように申し述べてもなお素直に聴きいれて下さる方々は決して多くはないであろう事は承知しております同業者ですら関心を示す人は少ないのですから。

それは致し方ない事としてもこの治療結果は私自身にとっても動かし難い事実であり、たとえ私の言動、振る舞いに不信感を持たれたとしても、この治療に対する体の反応は世界のどの国で誰が行っても必ず同じ結果を得る事を認めて頂けると信じます。

もし少しでも疑問を感じたり関心をよせたりして頂ける治療家の方が居られるのであれば是非にも追試験をして頂ける事をお願いしたいと思います。

ところで、これより先は蛇足といえるものになりますがFMS(線維筋痛症)や、CFS(慢性疲労症候群)といった疾患もRLSの兄弟姉妹のような病気ではないのでしょうか。
私にはそのように感じられて仕方がないのです。

勿論、何等かの根拠を持って述べていると言う訳ではありませんが、これらも自律神経が原因として介在し発症する病気の一つではないかということです。
自律神経が或る状態に置かれる事によりRLSが発症し、それと少し異なる状態に置かれた場合にFMS、CFSといった症状が現れるのではないかと考えられるのです。

具体的に何がどうなっているかは、まだ答える事など出来ませんが交通事故等による外傷や、出産、顎関節症、心的ストレスなどで強度の刺激に晒された場合に自律神経機能の統制が失われ交感神経の過度の緊張やショック症状のような状態が出現して血流の調整が困難となり体の各部の各組織に虚血が発生することによりこれらの多様な症状を引き起こすのではないかと考えております。

ただこれらについては今の所単なる私の当て推量でありますので余り真面目にお考えにならないように願います。少し気になる疾病である為、意見を述べさせて頂く事にしました。

●RLSとPLMD(周期性四肢運動障害)についての一考察

RLSに付いては既に少し述べておりますのでここでは主にPLMDに付いて述べてみたいと思います。
PLMDの諸症状に付きましては改めて申し上げることも無いと思いますので原因についてだけ述べさせて頂きます。

PLMDがもし未知の概念によってのみ解明出来るものであるならば私には到底手に負えない問題となりますがしかし既存の知識だけでも説明が可能ではないかと感じて治験結果を礎にして論理を組み立ててみました。

結果は多くの事実と符合しますので断定は出来ないにしてもおそらくは間違ってはいないのではないかと考えております。

結論から先に申し上げますとPLMDの原因は腰、仙骨神経叢部の虚血に知覚神経が反応して起こす脊髄反射(健常者には現れませんので病的反射と言えます)と考えます。具体的には正中仙骨動脈や内腸骨動脈から分岐する外側仙骨動脈が動脈硬化などによる狭窄や、或いは妊娠末期の膨隆する子宮の圧迫により十分な血流を供給出来なかった場合もしくは先天的にこの部位の血流が悪い場合などに腰、仙骨神経叢が貧血状態に晒されこれに神経叢の知覚神経繊維が反応し脊髄反射を引き起こすものと解釈します。

従って血液が鉄分の不足で貧血状態にある場合や心疾患が有り十分な血流が確保できない場合アルコール、コーヒー、タバコなどの嗜好品を多量に摂取していて血管の収縮が有る場合などには PLMDを招き易くなると考えます。

PLMDの患者の方ではこの部分の貧血状態は常在的に存在すると考えられますが日中は活動的であることから脳からの命令の方が優勢な為に症状は現れ難く安静時になってから神経叢からの刺激を受け入れるようになり脊髄反射が引き起こされるものと思われます。

脊髄反射は正常な状態であれば上腕二頭筋、三頭筋反射、頤反射膝蓋腱反射など一つの刺激に対して一つの反射が観測されますがPLMDでは全く異なった様相を示します。複数の筋肉が同時にしかも連続的に動き出します。

動く部位は坐骨神経支配領域に集中し足の指、足背部、前脛骨筋などがピクピクと痙攣したり、或いは脚の指のそれぞれが人格を持っているかのように勝手に動き出したり傍で見ていると個々の指が踊り狂っているような様にも見えます。

自分の意志では絶対に不可能な所作です。しかもこの指の動きを患者さんは感じていないようなのです。

筋肉が痙攣を起こすようになってから初めて気が付くようです。私は以前の“追記”の中でこれを脊髄反射に因るものではないかと推測していたのですが今回それを確認する事が出来ました。

この奇妙な動きを理解するのに一人の典型的なPLMDの症状を現す患者さんの協力を得て一つの実験をしてみました。

患者さんは仰臥位でベッドの上で横になって頂きPLMDの症状が収まっている時に先ずマッサージ器で右足背部、次いで前脛骨筋に刺激を与えてみました。一呼吸、二呼吸をおいて指先はユラユラと動き始め、やがて大きく動くようになり最後に五指を大きく左右に開きながら背屈して痙攣を起こしてしまいました。

この方は右足にだけPLMDの症状が在り左足の症状は弱いものでした。従って左側の刺激に対しては殆んど反応を示しません。それからどの部位まで反応するのか足先から徐々に刺激を与える部位を上げてみました。

腹部は超音波に切り替え、パルス波で刺激してみました。すると臍部を少し超えた付近で脚の指の動きは電気のスイッチを切ったようにピタリと動きを止めます。偶然ではないのかと思って数回繰り返してみましたが結果は同じでした。刺激部位を下位に移すとまた動き出し、上位に上げると止まります。

しかも不思議なことに、この腹部での刺激に最も強く指先は反応し足背部に当てた時とは明らかな違いを見せます。原因場所を強く示唆するものと感じ取りました。明らかに神経的な反応であり、腰、仙骨神経叢付近を指し示しております。

これをどのように理解すればPLMDの示す症状を説明する事が出来るのかと暫らくの間考えていました。そして程無くして虚血が原因であろうとの結論を得ます。

この部位が虚血になると想定するとPLMDの大凡の症状と振る舞いを理解する事ができます。足の指が一斉に動き出すことも自分の意思では真似する事の不可能なその奇妙な動きもまた症状が片側性に現れたり、両側性に現れたりする事にも説明が可能です。

そしてこの虚血を招来する原因としてこの部位を栄養している血管の状態を挙げることが出来ると思います。血管の内壁が動脈硬化により肥厚して断面積が狭まっている場合や、圧迫を受けて血流が妨げられる場合、先天的に血管が細くて十分な血量を流せない場合などを考えます。

動脈硬化については全身に起こりうるもので何も心臓や脳ミソの専売特許ではありません。
血管の圧迫については腫瘍が出来た場合もあるでしょうが子宮による圧迫による影響が最も大きいと思います。

小児に起きる場合、先天的に血管が細い事が考えられますが、RLSの影響も考慮に入れるべきだと思います。

RLSにより血管の拡張作用に障害を受ける事があると思います。そしてこの虚血によってもたらされる低酸素状態が神経叢の知覚神経を興奮させインパクトを受けたそれぞれの神経が脊髄反射を起こした場合にあの奇妙な指のダンスが始まると推定します。

腹部に超音波パルスを照射した時、足の指がダンスを始めたのは事実であります。しかしその原因を虚血としたのは飽くまでも私の推論でしかありません。

これが本当に虚血によるものであるか否かを確かめる術も能力も今の所私には不足しております。頭の中では或る程度の確信を得ていますが客観的な結論を下す事が難しいのです。

ただ部分に限って見ればよく説明が出来ると思っています。

さてここで少しRLSとPLMDとの関係について触れさせて頂きますとRLSとPLMDの間には密接な関連が有ることが知られておりますが私は同じ原因で発症するのではと考えます。

つまりほぼ同位置にある自律神経(腰、仙神経節)と腰、仙骨神経叢が虚血に晒されたとしたら自律神経はその機能を障害され血管や臓器への命令が伝達し難くなり結果としてその支配領域に在る組織に必要な血流を与えられなくなります。

これは自律神経自身及び腰、仙骨神経叢をも含む事になり悪循環を形成すると考えられます。
これにより血流の著しく不足する組織や部位では強い警告を挙げることになりますし少し不足するところでは違和感を訴える事になるのであろうと推測します。

所謂RLSの発症です。そして神経叢への血流が閾値を下回ったときPLMDを発症すると考えます。それ故PLMDはRLSとの従属的な位置関係、合併症と言えるのではないかと思われます。先に断ってあるように、これも私の推測であり実際に確認が取れている訳ではありませんし私にはその方法も限られていますので記事内容の信頼性を疑われても当然ですがそれは承知の上で書かせて頂きました。

従ってこれはRLSとPLMDの原因に関する仮説のようなものです。しかし何の根拠もない出鱈目を申し上げているつもりはありません。
治験の結果を事実として踏まえ状況証拠を掻き集めて推論を重ねその結果を元に治験を行うという繰り返しの上で出来上がったものです。

もしもこの記事を御覧頂いている皆様の中にこの記事内容を確認して頂けるような立場の方々が居られるようであれば是非この解明にご協力を仰ぎたいと願う次第で御座います。

●治療法について

私はこの病気の原因として下肢末梢神経の病変と殊に自律神経機能の障害をその元凶として述べて参りましたが現在このことは、このHPを初めに作った時よりはるかに重要な意味を持っていることが徐々に明らかになりました。

私はこの病気の患者さん達を治療していくうちにその症状から究極の原因は自律神経そのものの機能の低下によるものではないかと強く疑うようになりました。

これは超音波による治療によって既に脚の血流は見た目には見事なまでに快復しているのに下腿の鈍痛と違和感そして時々、強い痛みを伴う発作は中々取り去れなかった事が理由です。脚の様々な部位に様々な方向から超音波を照射して治療を試みてみましたが、鈍痛や違和感は相対的に和らぐものの基本的には拭い去ることは出来ませんでした。

色々なことをやってみた挙句に私は腰部から脚部までの超音波での治療に限界を感じ新たな治療法を模索しなければならない事態に追い込まれていました。
この痛みや不快感がどこから来るものなのか何故、具合のいい日と悪い日があるのか少なくとも怪我やバクテリヤ、ウイルス、悪性新生物などによる関与はないのですからこの時点で私に考えられたのは自律神経による影響でした。

自律神経の機能が低下している為に下肢に局所的な虚血が発生しているのではないかと疑ったのです。そこで私は自分に出来る範囲内ですが自律神経の機能の回復を図る治療を試みてみました。

しかしその結果は驚くべきものになりました。今までの長い治療期間ではどうしても拭い去れなかった脚の不快感が一気に軽快してしまったのです。これには患者さんも驚かれましたがもっと驚いたのは私自身でした。

なにしろ長期間にわたって試行錯誤の治療を繰り返してその結果を追い求めた者にとってはいきなり頭をハンマーで殴られた気持ちでした。

偶然が招いた結果とも言えるものですが治療法がわかってしまえばこんな簡単な事だったのかと自分の頭の悪さを詰りたい気分にさえなります。これにより今まで鈍感だった腰部、脚部の深部知覚が急激に回復したのを確認できました。

この病気の原因に関しての私の推測が正しいか否かはなお今の時点でも厳密な証明は出来ませんが少なくとも治療法としては十分に自信を持ってお勧めできるものと信じております。前置きが長くなりましたがそれでは具体的な治療法を申し上げます。

腰、腹部の自律神経節(交感神経幹)への腹腔側からの超音波の照射。
(追加的に坐骨神経への照射も必要な場合がある。)
星状神経節への超音波の照射。もしくは近赤外線またはレーザーの照射。
この➀、➁を並行して行ってください。好結果が期待できると思います。

◦新潟県長岡市袋町3-1101-13  袋町接骨院  青木 孝廣 先生    ↑袋町接骨院様引用。

●当院でも、袋町接骨院様の文献や青木先生に助言を頂きながら、手技療法をメインに治療をしてきました。毎年、月に1人程度の患者様からお問い合わせがあり、助けて頂きたいとのお声が多いため、私たちも日々、患者様のためになるようにと日々精進してやってきています。
大学病院に行ったり、内科、神経外科、睡眠外来などの病院をいくつも回っても薬や漢方のみの処方で、本当に治るのか不安に思う方。具体的にどういったことをすれば、軽減したり、治るようになっていくのかなど、分からないことが多いはずです。この疾患は、先生達の中でさえも良く分からない方が多く、対処のしようがなく対処療法になることが大半です。当院は、

物理療法(手技療法、ストレッチ)

をメインにして、一人でも多くの方を救っていきたいと考えていますので、なにかお困りの方は、ご相談のみでも気軽にお電話下さい。度々、関東地方以外のかなりの遠方からもお問合せ頂くこともございますので、迷わず、ご相談下さい。

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